熊本大学 大学院教育学研究科 教職実践開発専攻( 教職大学院) 准教授 前田 康裕
熊本市では、未来の創り手を育てる教育のために、授業のあり方が大きく変わろうとしています。教師が子どもたちに知識や技能を伝えるというタイプの授業だけではなく、子どもたちが自分たちで考えたことを仲間と共有するというタイプの授業へと広がりを見せはじめているのです。子どもたちが、自分のノートを見せて考えを発表したり、集めてきた資料や実物を見せながら意見を述べたりするといったアウトプット型の授業が確実に増えてきています。こうした学習プロセスの中で、子どもたちは自ら知識や技能を獲得し、思考・判断・表現力を高めていくことになっていくのです。
そのためのもっとも心強い道具になるのが、この実物投影装置です。まずは教師が日常的に実物投影装置を使っていれば、子どもたちは自然とその方法を学んでいきます。それから次第に子どもたち自身が実物投影装置を使えるようになっていき、お互いに情報を伝え合う学習の道具として位置づけられていくのです。こうした学習をスムーズに展開していくためには、道具そのものが簡単で使いやすいものでなくてはなりません。熊本市が今回導入した実物投影装置はまさにその条件を満たすものであると言えましょう。