熊本大学教育学部附属小学校

小学校/国語・算数

拡大投影で児童の「迷い」をなくす

熊本大学教育学部附属小学校の宮脇真一教諭(1学年担任)は、アバー・インフォメーションの実物投影機について、「聞いたことがないメーカー名だったので、最初は多少の不安もあった」と述べる。しかし実際に使用したところ、「シンプルな形状と軽さは学校利用には大変魅力的。スイッチを入れてから実際に映るまでの時間も短く、画質もきれい。期待以上の性能だった」と話す。

宮脇真一 教諭
大きく映すことで子どもの意識が教師の意図したところに向く

スムーズな進行で時間を作る

同校には、これまで4台の実物投影機があったが、「大きい」、「重い」、「PC接続が必要」なこともあり、毎日利用するには至らなかったという。手軽に持ち運べて、教室の限られたスペースでも簡単に扱える実物投影機があれば毎日使えると考えていたところ、そんな悩みに応えてくれたのがアバー・インフォメーションの「実物投影機」だった。

「コンパクトで場所をとらないし、軽くて持ち運びやすい」ことから、現在では週に4日は授業で活用している。さらに、その手軽さと画質の高さを評価した他の教員の申請もあり、同校では追加で1台購入したという。

「良いものであっても、高額だと校費購入を申請するのも心苦しい。その点この実物投影機は手軽なうえ、これまでのものと比べても低価格。厳しい学校予算の中でも購入を検討しやすかった」

国語 ノート指導は「見せて」伝える

全ての教科で実物投影機を活用している宮脇教諭。なかでも国語のノート指導や新出漢字の指導をはじめ、算数の「数と計算」、「量と測定」、「図形領域」など、教師が手元を動かして児童と共に考えたり、見るべき箇所を指し示したりする際に頻繁に利用するという。

活用による効果については「口頭では言葉を重ねないと伝わらないことが、教科書や学習プリントを提示すれば1度で伝わるし、大きく映すことで子どもの意識が教師の意図したところに向くようになる。授業をスムーズに進行できるので、そこから生まれる時間を他の指導に当てられる。時間に追われる教員にとって、その効果は非常に大きい」と述べる。

板書と拡大投影を併用することで、メリハリのある授業に

算数 全児童が「同じ角度」から立体を考察

また、「算数で立体を扱う時には、見る角度によって見え方が異なるということが大切だが、実物投影機を使えば全員に同じ角度で提示できる。指導の徹底という点でも効果的」と説明する。

特に低学年の算数では、手元の図形を思い通りに操作できた児童も、教員が黒板にある大きなスケールで説明しようとすると、大きさの違いからすぐには手元と黒板とを同一視できず、考えをまとめるのに時間がかかる子もでてくる。実物投影機を活用することで、児童は手元と同じものが投影されるため、戸惑うことなく学びのめあてを理解することに集中できる。

こうした拡大投影による効果を実感する一方で、宮脇教諭は授業の中では「あえて見せない」ことも必要と語る。

「実物投影機は子どもの意識を1か所に集中させやすいが、国語で文章構造を理解する時など物語の全体を通して考えさせたい場面には向かない。そんな時は教科書の複数のページを拡大コピーして黒板に貼り、比較しながら確認している。目的に応じて使い分けることで、実物投影機の力がより発揮できるのでは」

今後の活用については「子ども達の学年が上がるにつれて発表場面が増えてくる。成果物をメモリに記録して次時に活用したり、児童の発表に活用できるのが楽しみ」と語った。

ここがポイント!

実物投影機は授業設計を変える力を持っている

「授業進行がスムーズになった分、余裕の出た時間を他の指導に当てられる」といった利点を強調されているのがポイントです。「他の指導」つまり、個別指導や反復学習、確認問題、表現的活動等これまでできなかった学習場面を設定できるということは、授業設計を変えるだけの力を実物投影機が持っているということになります。しかし、「一覧性」においては、当然ながら黒板+掲示物にはかなわないという実物投影機の限界も実感されています。これらの機器が普及し日常的になれば、より多様な授業展開を設定し、一瞬提示するものと掲示物+板書の組み合わせ・使い分けなどを考えていくことができる点を示唆しています。