大田区立東調布第一小学校

小学校/算数

小学校 第5学年 算数科 単元名「四角形と三角形の面積」

大田区立東調布第一小学校(東京都) 5年鍋谷教諭の教室では2014 年にアバーのワイヤレス モデル実物投影機を導入。ノート・プリントや切り紙といったアナログな授業素材を、 大型液晶テレビに、実物投影機で離れた位置から映し出し思考の可視化と共有を図るとともに、生徒自身が操作をすることで、プレゼン力やコミュニケーション力も備わってきている。

ワイヤレス書画カメラ Wシリーズ
■鍋谷教諭に聞く!ICT環境の整備について

日常的な活用を推進するためには、常設が理想である。 そこで、少しでも常設に近い環境を目指すこととしてい る。例えば、使用時の結線や位置合わせなどの準備作業 が少しでも少なくし、電源一本の配線で済むよう配慮し である。準備作業の軽減や自由なレイアウトにつながる ことから、児童がICT機器を効果的に活用出来る環境と電子黒板ユニットがそれである。

「特に実物投影機は、発表する児童が、投影 される映像と聞き手の児童の両方を見られる ている。特に効果的なのは、充電式でワイヤレスの機器 の実現に役立っている。 今回の授業ではアバーのワイヤレスタイプ実物投影機 と電子黒板ユニットがそれである。

 
■鍋谷教諭に聞く!児童の思考について

児童が考えを交流させる場面では、互いの思考の読み合いを促すことを心がけた。そのために、学習の流れを、①自力解決、②発表、③発表者の作業を再現、④発表者がその手法に至った理由の説明、⑤発表者の考えに基づいた求積の立式、⑥式と図形の結びつきの検討特に③〜⑤については②の発表者とはそれぞれ別の児童に行わせたり、⑥は学級全体で検討したりすることで、自分とは違う考え方にも主体的に向き合うようにと考えた。

 
■鍋谷教諭に聞く!ICT活用の具体的な場面について

児童の活動の段階に応じて、活用しやすい教材やICTの活用を心がけた。児童の自力解決では、具体的な操作で 思考しやすいようにプリントを用意した。②の発表では、ノート・プリントがそのまま活用できるように、 実物投影機で発表できる環境を用意した。さらに③の作業の再現では、児童による操作で示すことができるよう にデジタル教材を開発し、電子黒板で発表する場面を用意した。そして、④〜⑥では言語化・式化したものや話し合 ったことを板書することで教室に用意されている教具を、それぞれ活用できるように配慮した。

鍋谷正尉 教諭
 
シーン② ワイヤレス実物投影機+大型液晶TVでワークプリント発表 ↓
 
シーン③・④考え方を推察、発表
 
シーン⑤・⑥求積の立式、式と図形の結びつきの検討
 

ここがポイント!

 

実物投影機による拡大効果は、個人の思考を効率的に学級全体のもの とするだけでなく、その画面を通して個々が発表・説明を加えて検討す ることで、「場面の共有」ができ、それぞれの考え方を確認・比較・深 化させることにつながります。当事例は、まさにそういった場面を示しており、実物投影機が、本時目標で ある「台形の面積の求め方を考え。説明することができる。」を達成するためにあらゆる学力層に効果的に 機能したといえます。なお、こういった場面が日常化してくると、教師も児童生徒らも頻繁に黒板周辺を行 き来するようになりますが、引っ掛ける懸念のある機器周辺のケーブル類を一掃できたことは画期的です。 準備や運用で、負担感・特別感のあるICT活用授業が、また一歩日常化へ向かうことでしょう。

和歌山大学教育学部 附 属 教 育 実 践 総 合 セ ン タ ー 准教授 豊田充崇



※先生がたの所属と肩書きは取材当時のものです。

※ご紹介した「ワイヤレス型実物投影機Wシリーズ」は(株)内田洋行専売品になります。