東京都立東大和高校

高校/情報科

見えなかったものが見える!!
生徒から驚きの声も

東京都立東大和高校の佐藤義弘教諭は、情報科の授業で「実物投影機」を活用している。「これまで使っていたものはピントの合う範囲が狭かったが、アバーの実物投影機は遠いところから近くまで、ピントが合う。カメラアングルの自由度が高いので、従来品にない映像が撮れました。キーボードを真上から映せたのには、驚きました」

佐藤義弘 講師
軽くコンパクトな設計のため設置場所が限られる教卓での利用にも便利
液晶ディスプレイを実物投影機で拡大すると光の三原色が見える
グースネックの特長を生かせば、キーボードの真上など、視線と同じ角度で撮影できる

キーボードタッチを視覚的に理解 ズーム機能で「光の三原色」確認

「情報のデジタル化」の単元では、PC室で「光の三原色」の説明に利用した。「実物投影機」の画像を生徒用の共有モニターに配信し、教師用の液晶ディスプレイに「実物投影機」のカメラヘッドを5cm程度の距離に近づける。ジョグダイヤルを回しながら、ダイヤル操作でズーム倍率を上げていくと、白い画面が映し出されていた共有モニターが少しずつ様子を変えていく。

「白色に見える状態からそのままズームしていくと、次第にRGB(赤・緑・青)の点が並んでいることがわかってきます。想像よりも拡大できるため意外性があり、生徒は驚いて声を上げていました。言葉で説明するよりも、よりリアルに実感できる授業になりました」

「情報活用の基礎」のタッチタイピングのホームポジションでは、柔軟な撮影角度を支えるグースネックを調整して教師のキーボードの真上にカメラヘッドを設定。生徒が自らの指先を見る角度と同じ角度で、教師の手元を提示しながら実際のキーボード操作を見せた。

「これまでは、言葉で説明したり、キーボードを印刷した用紙を黒板に貼って指を置いて説明していましたが、実物投影機を使うことでホームポジションへの指の戻りや、手首の位置が動かないことを視覚的に伝えられました。本来なら近くにいる生徒にしか見えない指の動きも全員に等しく見せることができるのは便利。指や手の甲まで映すことで、生徒も手の位置をより理解しやすくなったようです」

教材準備の手間を軽減

佐藤教諭は、理解を深める活用だけでなく、普段の授業に変化をつけるツールとしても実物投影機を活用している。教科書に書き込む内容を保存して振り返りに使ったり、事前に解答を付箋紙に書いて教科書や問題集に貼り付け保存しておけば、答え合わせや即席のクイズにもなる。

「教科書をそのまま映せば教材準備の手間を減らせるうえ、説明箇所を明示できるのは何よりも便利。コンパクトな設計なので設置場所が小さくて済むのも嬉しいですね。価格も比較的安く、場所も取らずに収納できるし持ち運びも簡単。特別なことをしなくても、指示や説明が伝わりやすくなりました」

ここがポイント!

手軽で有効な活用で授業に変化をつける

ディスプレイ画面は、光の三原色(赤・緑・青)の点減具合で色が再現されていますが、それを肉眼で確認することはほぼ不可能です。そこに、実物投影機を近づけ、みんなで視認できるほど拡大して映せるというのですから驚きです。先生のアイディア次第で「見えないものが見えるようになる」といった学習場面がまだまだ生まれてきそうな期待が持てます。「授業に変化をつけるツールとして実物投影機を使っており、「教科書に付箋紙を貼った即席クイズ」をなど、手軽でありながら有効的な活用を普段の授業でされているのが印象的です。